リノベーションとリフォームの違いを9つの項目に分けて解説
リノベーションとリフォームの違いってなんだろう?と、疑問に思っている人も多いハズです。
そこでこの記事では「リノベーションとリフォームの違い」をプロ目線で解説していきます。
リノベーションとリフォームは似ているようで、意味合いが違ってくるので、家づくりを検討されている方はきちんと理解しておきたいところ。
では早速ですが、リノベーションとリフォームの違いについて、くわしく解説していきます。
リノベーションとリフォームの違い【カンタン比較表】
リノベーションとリフォームの違いをカンタン比較表にまとめてみました。
タイプ | 意味 | 工事規模 | 住まい性能 | 費用 | 進め方 | 工事期間 | メリット・デメリット |
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リノベ | 既存の住宅を現在のライフスタイルに 合うように改修する事 マイナスの物からプラスににする新たな機能や価値を向上させる工事 ・間取りの変更 ・断熱性能の改善 ・現代的な住まいに再生する工事 | 大規模 | ・耐震 耐震強度をあげることができる ・断熱 断熱性能をあげることができる ・設備 最新のものにかえることができる | 数万円~ | ライフスタイル、家族構成も様々。要望を整理することから始めます。 耐震、断熱、採光などの性能向上も合わせて計画していきます。 | 数か月~6か月 | (メリット) ・間取りの変更が可能 ・新築に住んでるのと変わらない気分 ・建て替え新築より費用が安い (デメリット) ・工期が長いので仮住まいが要 |
リフォーム | 建物の老朽化した部分を新築時の状態に 近づけるための改修工事 マイナスの状態の物をゼロの状態に戻す機能回復工事 ・内装の張替え ・キッチンの入れ替え ・ユニットバスの入れ替え | 小規模 | ・耐震 現状維持又は部分的に追加、改修が可能 ・断熱 現状維持又は部分的に追加改修が可能 ・設備 最新のものにかえることができる | 数百万~ | 古くなった設備や内装材などを新しくする商品や色を選定します。 | 1日~1か月 | (メリット) ・住み慣れた雰囲気をそのまま残せる (デメリット) ・大きな間取りは変更できない ・住み心地は変わらない |
今から順番に、リノベーションとリフォームの違いをくわしく解説していきます。
リノベーションとリフォームの違い【意味の違い】
リノベーションとリフォームの「意味の違い」をくわしく解説していきたいと思います。
リノベーションとは
最近、よく耳にするようになった「リノベーション」という言葉。
テレビでお家のリノベーション番組とかリノベーションの専門雑誌などでも目にするようになりました。
家の古くなったところや、傷んだところや、改装して新しくきれいにすることを「リフォーム」とよんでいますが、「リノベーション」とはどう違うのでしょうか。
皆様は「リノベーション」にどのようなイメージをお持ちですか?
「リノベーションとリフォームは同じ意味」と思われている方や「リフォームにデザイン性をプラスしたもの」とイメージされる方、「リフォームより大きな工事」と思われる方など、人によって「リノベーション」のイメージはさまざまかと思います。
建築業界に携わっている私たちも何気なくつかっている「リノベーション」ですが、「リフーム」と「リノベーション」には明確な定義はないので、曖昧に使い分けてる現状があります。
それぞれの言葉の意味を調べると次のような単語がでてきます。
「reform」は改革、イノヴェーション、チェンジなど。
「renovation」は更新、アップデート、リニューアル、イノヴェーション、リペアなど。
単語を比較すると共通する意味をもっていることがわかりますので、曖昧に使いわけている現状も納得できます。
リフォームとは
「リフォーム」は今あるものを新しく変える、「リノベーション」は使いやすくする、性能をあげるといった意味で違いがあるので、「リフォーム」はチェンジ、「リノベーション」はアップデートと考えると意味の違いがイメージしやすいと思います。
リノベーションとリフォームの違い【工事の規模での比較】
間取りの変更、断熱性能の改善、現代的な住まいに再生する等の大規模工事です。
内装の貼り替え、キッチンの入れ替え、ユニットバスの入れ替え等の小規模工事です。
リフォーム」と「リノベーション」の言葉に明確な線引きはありませんが、どのように使い分けしているかを工事の規模で比較してみます。
リフォーム
キッチンや浴室の改装、外壁の塗替え、壁紙の張替え、畳をフローリングに変更、給湯器の入れ替えなど
リノベーション
間取りを変更する。耐震補強。断熱の性能をあげる工事。
「リフォーム」はお家の古くなったところや、傷んだところを部分的に改修して新しいものを設置したり、今あるものを利用して上から仕上げてきれいに改修する工事です。
なので、規模的には小規模な工事になります。
「リノベーション」は家の間取りを変えたり、耐震工事や断熱工事をするために、基礎や柱を残して解体し、スケルトン状態にして改修していく大規模な工事になります。
リノベーションとリフォームの違い【住まい性能での比較】
既存の住宅の耐震性、断熱性の向上が可能
既存の住宅の耐震性、断熱性の現状維持又は追加改修が可能
「リフォーム」は部分的な改修ですので、改修した部分は新築時と同等程度に性能があがります。
改修しないところは現状維持になります。
システムキッチンやユニットバスなどは機能面や性能面で年々進化していますので、選ぶ設備によって性能があがります。
今では一般的になっているキッチンの引き出し収納やシャワー水栓、食洗機、ユニットバスの断熱浴槽や掃除のしやすい排水口など昔にはなかったものです。
新築時にはなかった機能や性能をもった製品を選んで、「リフォーム」することで新築時より性能をあげることができます。
「リノベーション」の場合は、家全体の性能をあげることができ、「リフォーム」のように部分的に性能をあげるのではなく、家全体の性能を考えて計画していきます。
間取りや設備、断熱や採光、耐震設計など新築時以上に性能をあげて計画することも可能です。
リノベーションとリフォームの違い【費用面での比較】
数百万~数千万円の大規模な工事がリノベーション
数万円~の小規模な工事がリフォーム
「リフォーム」は改修する箇所によって費用は大きく変わりますが、よくポストに投函されているリフォームチラシや地域紙などの広告で、トイレ便器の取り替え○○円~、キッチンまるごとパック○○円~といったチラシを目にしたことがあると思います。
キッチンの水栓取替5万円~といった設備の交換や壁紙の張替え等の場合は、5万円~キッチンやユニットバスの入れ替えは、80万円~とで目にすることも多いと思います。
よく新聞折り込みやポストに投函されているリフォームのチラシで目にすることも多いと思います。
施工会社によって、外壁塗装を専門にしている会社や水廻りを得意としている会社など、その会社の特徴を知ることが大事になってきます。
「リノベーション」の場合には、家の大きさや築年数などの条件によっても費用が大きく変わってきます。
「リフォーム」に比べて工事の規模が大きくなりますので、費用も800万円~2000万円と高額になるケースが多いです。
リノベーションとリフォームの違い【進め方での比較】
ライフスタイル、家族構成に合わせて要望を整理する
優先順位をつけて最優先で必要なリフォーム部分を絞る
リフォーム」の場合、どこをリフォームしたいか優先順位をつけて検討します。
長年使ってきたキッチンや浴室といった設備や壁紙やフローリングといった内装材など、長く住んでいると、気になるところや改善したいこと、不具合もでてきます。
まずは、リフォームをしたい箇所を書き出してみます。
- キッチンをあたらしくしたい
- 和室を洋室にしたい
- 外壁の汚れが気になる
- 壁紙をきれいにしたい
など気になっていることを全部書き出します。
その中で優先順位をつけていきます。
一度にすべてのリフォームをすることはできませんので、その中で最優先で必要なリフォームを絞ります。
リフォームをしたい場所が決まれば情報収集をすることをお勧めします。
リフォーム会社の公式ホームページやSNS、口コミや情報サイトなどをチェックすることで、リフォームの基礎知識を得ることができます。
またリフォーム会社のホームページは、会社概要のほかに業務内容や施工事例といったその会社の特徴がわかる情報ありますので、あなたにピッタリあった会社を選ぶ判断材料になります。
SNSや口コミなどの情報は、リフォームを具体的にイメージすることができますし、また依頼する業者へリフォームのイメージや要望をつたえるのにも役立ちます。
リフォームのおおよそのイメージがついてきたら、リフォーム工事に使う予算を決めておきましょう。
見積もりを依頼する際に、ざっくりとこれぐらいと施工業者に伝えることができれば、その金額を加味して考えてもらうことができます。
また、どのくらいの費用がかかるか、検討がつかないこともあります。
費用面以外にも、工事期間やどんなことがどこまでできるのか疑問なども出てくると思います。
その場合は、施工業者へ直接、相談してみるといいと思います。
実際に、家のリフォームしたい場所を見てもらって見積もり依頼をしましょう。
柔軟に対応してくれる施工業者に「リノベーション」の場合、ほとんどの方が初めてのことで、何から始めたらよいかわからないと思います。
手始めに、リノベーションのセミナーに参加したり、ホームページの問い合わせやSNS、リノベ相談会などを利用して情報収集するのがお勧めです。
リノベーションの知識や施工業者の雰囲気なども感じることができますし、依頼する施工業者を決めるのにも役立ちます。
また、リノベーションの場合、工事規模も大きく、期間も長いのでスケジュールを組んで慎重に進めていく必要があります。
施工業者によって特徴や工事のすすめ方も違いますので、早い段階で依頼する施工業者を選定して進めていくことをお勧めします。
はじめの段階から具体的に相談することで、良い信頼関係を築いてリノベーションを進めていくことができ、全体のスケジュールを考えながらスムーズに進めていけることができると思います。
また、高額な工事になりますので、住宅ローンを組んで資金をまかなう場合も多いと思います。
その場合には、事前にローンシミレーションなどをして、借り入れの年数や借入可能な範囲、月々の返済額なども考えて大枠の予算を決めておきましょう。
実際にローンを組む手続きは、工事契約書や図面なども必要になってきますので施工業者と相談してスケジュールを組んでいきます。
どのような暮らしをしたいのか、ライフスタイル、家族構成もさまざまですので、リノベーションで叶えたい要望をご家族で相談して整理します。
- 暖かい家がいい
- 明るい家にしたい
- 家事動線を良くしたい
- 収納がたくさんほしい
など
相談先が決まれば、実際に施工業者に現地調査をお願いして、プランと見積もりを依頼します。
ご家族の要望をすべてプランに反映していくと、予算オーバーになることがよくあります。
決められた予算の中で柔軟に対応、提案してくれる施工業者が良いでしょう。
また実際の工事は数か月かかる大がかりな工事になりますので、住み続けながら工事をすることができません。
工事中は荷物をあずけたり、一時的に引越しをして、仮住まいをする必要があります。
いざリノベーション工事を進めようとしても、場所や条件で希望の物件がタイミングよく見つからないこともありますので、早めに調べておくことも重要です。
仮住まい中の生活費や引っ越し費用なども予算にいれておくことも大事です。
- 相談
- 要望をまとめる
- 予算と工事費用を
- 施工業者選定
- 契約
- ローン
- 仮住まい
- 工事期間
- 工事完了引き渡し
- 引越し
リノベーションとリフォームの違い【工事期間での比較】
数か月~6か月程かかるフルリノベーションまで
1日で終わる工事~1か月程の小規模工事
リフォーム工事の期間
- 1日目:既存のキッチンを取り外し撤去します。
- 2日目:キッチンに接している壁や天井に補修が必要な場合は補修します。新しいキッチンに合うように水道の配管や電気関係の位置を整えます。
- 3日目:新しいシステムキッチンを設置し、水道の配管や電気関係の接続します。
- 4日目:キッチンに接している壁にタイルを張ります。キッチンパネルを張る場合はシステムキッチンと同時に施工することが多いです。
- 5日目:壁や天井のクロスの補修等必要な場合があります。
- 6日目:壁とシステムキッチンの隙間などに、シール工事をして完成。
キッチンの位置を変えない場合は1週間ほどの工事期間になります。キッチンの配置をかえたり、アイランド型のキッチンに変えたりする場合などは、それに伴う木工事や内装工事が必要になります。
- 1日目:解体工事
- 2日目:新しいユニットバスに合わせて、給水、排水、追い炊きの配管工事をします。タイル張りのお風呂の場合は床下が土の状態です。ユニットバスの架台を設置するために、土間コンクリートを打って、安定した設置面をつくります。
- 3日目:ユニットバスを組み立てます。1日作業で組みあがります。
- 4日目:ユニットバスの入り口周りの枠や、壁、床の補修をします。
- 5日目:補修箇所は、クロスやクッションフロアなどで仕上げて完成です。
お風呂のリフォームの場合、お風呂と洗面室の間の壁を解体しないといけないことが多いため、お風呂と一緒に洗面室もリフォームされる方が多いです。
洗面化粧台の入れ替え工事
洗面化粧台を同じ仕様のものに取替する工事は1日で完成します。
壁紙や床のクッションフロアなど内装工事も合わせてする場合は3日間から4日間ほどの工事期間になります。
トイレ便器の交換は1日で終わります。
便器の排水の配管位置が、新しい便器を合わない場合には、配管工事や床の補修工事が必要になりますので、クロスや床の工事を含めて、3日間から4日間ほどの工事になります。
今のリビング大きさやどんな風にリフォームしたいかによりますが、1週間から2週間くらいの工事になることが多いです。
床の張替え工事で3日間~4日間、壁と天井のクロス張替え工事で3日間~4日間くらいの工事期間になります。
- 1日目:足場組
- 2日目:養生
- 3日目:高圧洗浄
- 4日目:下塗り
- 5日目:仕上げ塗装1回目
- 6日目:仕上げ塗装2回目
- 7日目:予備日
- 8日目:予備日
- 9日目:予備日
- 10日目:足場解体
外壁の塗替え工事は、天候に左右されたり、塗料の乾く期間が必要ですので予備日をとって10日から2週間の期間で計画します。
屋根の塗装や雨どい、軒などの塗装も、このタイミングでリフォームされることをお勧めします。
リノベーション工事の期間
一戸建てのフルリノベーションの場合、建物の大きさや、構造、建てられた年代によって変わりますが、4か月間から6か月間が目安になります。
リフォームよりも打合せや、設計にも時間がかかります。また、仮住まいへの引っ越しや荷物の移動などの期間も必要ですので、余裕のある計画が必要です。
リノベーションとリフォームの違い【メリット・デメリット】
間取りなど大きな変更ができ新築と変わらない気分になれるが、大規模な工事のため仮住まいが要
愛着のある家の雰囲気をそのまま残せるが、住み心地はそのまま
リノベーションの場合
メリット | デメリット |
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ライフスタイルに合わせた間取りの変更 耐震性や断熱性を上げられる 新築住宅に比べ、資産価値の目減りがすくない 家の価値が高まる 環境への負担が少なく、資源の節約になる 建て替えよりも費用が安い 税金の軽減が可能 制度によって補助金が受けられることもある 補助金の参考サイト 住宅ローンの利用が可能 | 工期が長いので仮住まいが必要 |
リフォームの場合
メリット | デメリット |
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愛着のある家の雰囲気をそのまま残せる 工事期間が短い コストが安い | 住み心地は変わらない 大きな間取り変更はできない |
リノベーションとリフォームの違い【世間の声】
新築と同様の間取りの自由度と性能を予算を抑えて得ることができました。
新築時の時の状態に近づける事ができました。
リノベーションの場合
リフォームの場合
まとめ
リフォーム工事をする施工会社は日本国中に山ほどあります。
リノベーション工事をする施工会社は現状数が少ないです。
何故ならばリノベーション工事をするのは確かな技術と豊富な経験がないと難しいからです。
なのでリフォーム工事は出来てもリノベーション工事に手を付けたくないと思っている施工会社が多いのが現状です。
リノベ専科は豊富な経験と技術力と安心かつお客様のご要望にこたえる提案力を兼ね備えた数少ない工務店です。